【実践例】カルテがなくても諦めない!透析患者が「会社の健診データ」で障害年金を申請する方法
人工透析が始まり、仕事との両立や経済的な不安を抱える中で直面する「初診日証明」の壁。
「古いカルテが破棄されていた」「放置期間がある」と病院で言われても、道は閉ざされていません。
受給の鍵を握るのは、意外にも「会社」に眠っているあの書類でした。
実務の現場で起きている、初診日特定とスピード受給の裏側を公開します。
1. 相談者プロフィール
今回のペルソナ:佐藤さん
対象者:佐藤さん(45歳)
診断名:糖尿病性腎症(人工透析)
- 状況:15年前に健康診断で指摘を受けるも、自覚症状が乏しく放置。1ヶ月前より血液透析を開始。
- 悩み:「最初の病院にはカルテがなく、初診日が証明できない。長年の放置期間があるため、社会的治癒を認めてもらうしかないのか? 仕事を早退して透析に通う中、経済的な支えが今すぐ欲しい」
2. 【実況】管理人によるヒアリング
管理人さん、ついに透析が始まってしまいました。週3回も仕事を早退しなきゃいけなくて、将来が不安で……。でも、私は30代の頃に5年以上も通院を放置していた時期があるんです。自業自得ですが、こんな状態じゃ年金なんて無理ですよね?
佐藤さん、まずはご自分を責めないでください。ネットでは「社会的治癒」という言葉をよく見かけますが、実は糖尿病でこれを勝ち取るのは、実務上、非常にハードルが高いんです。
えっ、そうなんですか? 15年前の初診病院にはもうカルテがないって言われて……。最近の病院を初診日にできれば、書類も揃えやすくて楽だと思ったんですが……。
そこが落とし穴です。審査側は糖尿病を「継続的な管理が必要な病気」と見ます。放置期間は「治っていた」ではなく「治療をサボった」と判断され、不支給になるリスクが高い。病院になければ、「会社」を探しましょう。健診結果の写しなどは残っていませんか?
あ!今の会社に転職したときの書類に、前の会社の健診コピーを添付した気がします。総務に確認してみたら、ありました!2010年6月の「要精密検査」の記録です!
素晴らしい!その1枚があれば15年前を初診日として認めてもらえる可能性があります!
でも、人工透析が始まったのが先月だから、またそこから3か月とか1年6ヶ月(障害認定日)待たないといけないんでしょうか?
いいえ、逆です! 15年前に初診があるということは、認定日はとっくに過ぎています。つまり、『透析が始まったその日』から、あなたは申請できる条件を満たしているんです。
えっ、3ヶ月とか1年6か月とか待たなくていいんですか!?
はい。今回のように初診から1年6ヶ月以上経ってから悪化した場合は、事後重症請求として、透析開始後すぐに申請できますよ。1日でも早く出せば、その分早く年金が振り込まれます。
本当ですか!? ずっと自分を責めて、もう無理だと思っていました……。すぐ総務に書類を貰いに行ってきます!ありがとうございます!
3. カルテがない時に「初診日」を証明する最強の代打たち
病院にカルテがなくても、以下の資料が積み重なれば「初診日」として認められる可能性がグッと高まります。自宅の引き出しや会社の保管書類をチェックしてみましょう。
| 資料の種類 | 具体例(糖尿病・透析の場合) | 重要ポイント |
|---|---|---|
| 健康診断の結果 | 「要精密検査」や「要治療」と記載された会社や自治体の健診データ。 | 最優先資料! 異常を指摘された日が初診日になります。 |
| お薬手帳 | 当時の糖尿病薬(メトホルミン等)の処方記録、調剤薬局の領収書。 | 継続的な治療を証明する強力な証拠。 |
| 医療保険の請求書類 | 生命保険の給付金請求時に病院が作成した証明書の控え。 | 病院にはカルテがなくても、保険会社に残っている場合があります。 |
| 診察券・領収書 | 当時の内科の診察券や、通院時の領収書の束。 | 日付と診療科(内科など)が分かることが必須。 |
| 身体障害者手帳の申請書類 | 透析導入時に作成した手帳申請用の診断書の写し。 | 役所に保管されている「原本の写し」を請求できます。 |
※これら単体では難しい場合でも、複数の資料を組み合わせることで道が開けます。
4. 完成した文章サンプル
佐藤さんのヒアリング内容について、実際の病歴就労状況等申立書を作成してみました。
みなさんの状況にあわせながら、このサンプルを参考にしてみてください。

今回のようにはっきりとした初診日がわからない場合については「2026年1月ごろ」と記載をして申立書を作成しても構いません。
ただ、「なぜ初診日の証明が必要なのか」を思い出してみてください。
それは「年金の種類と納付状況を確認するため」です。年金の種類でいうと初診日にどの年金制度に加入していたかによって対象になる障害年金の種類が変わってきますが、
【2026年1月1日~15日は国民年金】
【16日~31日は厚生年金】であった場合、「2026年1月ごろ」は果たしてどちらの年金に加入していたのかが判別不能となってしまいます。これでは審査のしようがないですよね。
そうなると、状況によってははっきりと日付まで特定しなければならない場合も出てきます。
5. 管理人からのメッセージ
佐藤さんの事例のように、たとえ過去に数年間の空白期間(未受診)があったとしても、諦めるのはまだ早いです。
「あの時、ちゃんと通院していれば……」と自分を責めて立ち止まってしまう前に、まずは会社の書類棚や、自宅の引き出しの奥を確認してみてください。 その中に、あなたのこれまでの頑張りと、今の不自由さを繋ぐ「確かな証拠」が眠っているはずです。
「この健診結果でも初診日になるかな?」 「仕事の配慮、具体的にどう書けば伝わるの?」
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